【市指定:史跡】アラフ遺跡~あらふいせき~
アラフ遺跡(2800年前~1900年前)は、宮古島東部の新城海岸の海岸砂丘地に形成された、無土器期である先島先史時代後期(縄文時代晩期~弥生時代)の遺跡である。
この遺跡は、長さ800m程の概ね北面する砂丘にあり、前面海域にはサンゴ礁が発達し、後方陸側には低地帯を挟んで標高80m以上からはじまる急斜面が迫る。その中腹には泥岩層と琉球石灰岩層の不整合面の一部から湧水が流れ出ている。
遺跡は砂丘地後背部を中心に広がっており、シャコガイ製貝斧やスイジガイ製・クモガイ製利器、サメ歯有孔製品、マガキガイ製小玉、当時の食料と考えられる海産のチョウセンサザエやサラサバテイの貝殻、陸産のイノシシの骨などが多く出土している。そのほか先島先史時代後期を特徴づける出土遺物として、焼石調理に伴うと考えられている熱で黒くなった拳大の琉球石灰岩やサンゴ礫からなる集石遺構(アースオーブン遺構)が確認されている。また世界的にも例を見ない4点の異なる形状の貝斧と1点の枝サンゴ(ミドリイシ属の一種)が一括で出土し、これは「貝斧埋納遺構」と称されている。「貝斧埋納遺構」については、出土状況から祭祀的な意味合いがあるのではないかと推察されており、この存在がアラフ遺跡を先島先史時代後期の人々の精神世界を考える上でも貴重なものにしている。
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